瞑想の森
設計課題で火葬場の設計をしたことがある。
人の死を間近に見たことがない私にとって、最も困難な課題だった。
人を最後に見送る場所をこんなに開放的にしていいものなのか。
それは良く分からない。
一枚の布をふわっとかけたような。
でも良く見るとどこか違和感がある。
きっと白いはずの屋根が汚れていたからだろう。
屋根の白さは美しくあって欲しい。
そして正直言って、施工者泣かせだと思う。
設計者と施工者の関係ってどうだったのかな。
展示会で現場の型枠や鉄筋などを見たが、高度な技術者しか施工できなさそうだった。
自由曲面シェルも、ガラスも、設備も。
ランドスケープは好きだった。
でもあの近寄りがたい空気は何だろう。
建築として好きになれない。
好きになる必要もないのかもしれない。