海の博物館
鳥羽駅からバスで30分。
「海の博物館」というバス停を降りると、目の前には崖と海。
海の香りがする森に囲まれた場所、そこが海の博物館である。
内藤廣の出世作である。
伊勢志摩地方の漁労生活用具を中心に展示する民族系の博物館である。
海のそばにあるのに緑に埋没されているような建築である。
収蔵庫がメインであるため、いかにモノを守るか、がこの建築の難しいところである。
特に海風や湿気などは大敵だ。
また、コストを抑えるということも、大きなテーマの一つであったようだ。
エントランス。
落ち着いている。
木造なのに大きなスパンを取るために集成材を使い、ラーメン骨組みとアーチを組み合わせ、トラスを構成している。
無駄のない構造だ。
収蔵庫にはプレキャストコンクリートが用いられている。
収蔵される船の大きさで決まったというスパンを支えるためにタイビームが採用されている。
写真では分かりづらくて申し訳ない。
外観は地味にまとめられているが、圧倒する何かを持っている。
それは洗練された構造なのか、周囲との調和なのか、収蔵物・展示物を引き立てる建築なのか・・・
私はこの建築を見て内藤廣を好きになった。
この建築の背景や構造を何も知らないときだったが、大きな魅力を感じたことは言うまでもない。
今、この建築の細かいところまでを知るようになり、ここまで完成させた内藤廣はすごいと思っている。
構造に正面から立ち向かった渡辺邦夫もすごいと思っている。
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