スキン+ボーンズ-1980年代以降の建築とファッション
建築の展覧会には何度も行ったことがあるが、ファッションの展覧会は初めてで、ましてや建築とファッションを一緒に行うなんて聞いたことがなかった。
確かに建築とファッションは似通っている部分もある。
しかし、やっぱり別物だ、というのが見終わった感想だ。
思っていたよりも展示数が多く、見ごたえがあった。
- 共通の概念
- 形態の生成
- 構成の技法
- 両者の融合
という構成だったが、ファッションはまだ知識が浅くて分からないものだらけだったが、人を包むものという観点からは納得のいくものだった。
意匠・構造・材料(素材)と聞いて、私はそれを建築だと言うが、他人はファッションと言う。
確かに全く間違っていない。
しかし建築とファッションは別物だ。
ファッションは同時に複数の人を包めない。
家具を服にするという発想は、私は持っていなかったが、これを見て興味がわいた。
建築をファッションに限りなく近づけたら、または、ファッションを建築に限りなく近づけたら、と考えながら見ていたが、ここに発想力のなさが露呈した。
構成の技法の詳細は以下のようだった。
- スキンの構造化
- 構築/ 脱構築 / 再構築
- 包む
- ドレープをつくる
- 畳む
- プリーツをつける
- プリントする
- 織る
- はりだす
- 吊る
これも、建築でもファッションでもある。
では、建築とファッションの違いはいったい何か。
それは原点に返るとよく分かる。
建築は外力から人を守る必要がある。
それは地震であったり風雨であったり日射だったりする。
ファッションは、例えば地震から人を守ってくれない。
当たり前のことかもしれない。
私が構造が好きだからかもしれない。
でも、建築の基本はファッションの基本ではないと思う。
逆に言えば、人を守るための構造を考えない建築は、建築だとは言えないのかもしれない。
やはり建築は意匠美ではなく構造美である。
詳細・参考はこちら
国立新美術館 スキン+ボーンズ-1980年代以降の建築とファッションSkin + Bones: Parallel Practices in Fashion and Architecture