Something for Structural Engineering

建築土木の構造工学と,その周辺

研究者というかまだ学生だけれども、この3日間で思ったことを少々。建築構造を学ぶものとして。




正直、何もできないのが実情。まあもともと構造工学は将来起こりうる外力を想定して建物を作ったり補強したりするものなので、緊急事態真っ只中ではほぼ無力。ただ出来ることは、現在起きていることを正確に把握すること。時々刻々と明るみになる現状を冷静に受け止め、報道を鵜呑みにするのではなく本質を見極めること。そして、今後学会などから調査のために派遣される可能性を考えて、ボスのそばにいること。


もうすでに地盤系の研究室は液状化などの調査に行っているようだが、これは首都圏のみで、一番被害の大きい宮城などにはまだ誰も調査には行っていないと思う(応急危険度判定はやってるのかな)。これは至極当たり前で、人命を救うことが第一であり、調査が救助の邪魔になってはいけないということ。


ネット上でustreamやら動画やら画像などで情報収集している。M9.0と知ったときはただただ唖然とした。気象庁のHPを見ていて思うのは、この3日間の地震の震央が全国各地にあること。ざっと見ただけでも小さいものを含めれば、東北地方の太平洋側一帯、信越地方北陸地方、関東地方、東海地方、山陰地方、九州地方など。どういうことなのかさっぱりわからない。震央がなくても揺れや津波などはあっただろう。もはや日本全体で揺れている。地球を全て見渡して、こんなことが過去にあったのだろうか。


しかしこういった惨状を見続けていたためか、私も少し心が不安定になった。気晴らしに自転車を漕いで近所をうろうろしてきたら、いつもと変わらない日常があったので安心した。いつもと違ったことは、スーパーでカップ麺と水が売り切れていたことくらい。ずっと座ってPCに向き合ってたのをやめて、少しでも運動してきたので良い気分転換になった。そんなわけで私は正常運転しています。


もう少し今回の被害を見てみると、一番大きかったのはやはり津波の影響。10m近くの高い津波の映像も見たが、これは本当に日本なのか疑った。集落丸ごとなくなったところも多数あった模様。今後、設計荷重に津波など加わるのだろうか、とか考えてしまうが、あの惨状を見ているともうどうしようもないのではないかとも思う。しかし、巨大な水にやられたのに、水が足りないと嘆いているのが現状。水って物凄く恐ろしいものでもあり、生きていくうえで欠かせないものでもあるってことを再認識。揺れによる倒壊はあまり情報が入ってこないが、建築学会のHPを見る限り、やはり被害は甚大。さすがに最大震度7で被害がないわけない。報道にはのらない被害が多数ある模様。このあたりの調査をして、今後に活かしていくのが我々の役目である。その場に発生しうる外力を最大限想定して設計をしなければならない。法律は最低条件。優秀な構造エンジニアはそれよりももっと深く広く物事を見抜いていかねばなるまい。


I pray for Japan.