Something for Structural Engineering

建築土木の構造工学と,その周辺

ガウディの伝言

ガウディの伝言 (光文社新書)

ガウディの伝言 (光文社新書)

言わずと知れたサグラダファミリア
石工として働く著者が、ガウディから学んだありとあらゆる事を綴っている。


石造という原始的な方法でつくられているが、ガウディは先端技術にかなりの興味を示していたようだ。
今はまだ開発段階のものでも、数年後または数十年後に設置することを考えて、このディテールはこうしよう、といった具合に。
欧米では建築は補修しながら100年単位で使い続けるのが当たり前であるため、そういったことも考えなければならない。
日本では住宅などは30年も経てば壊されてしまう。
式年遷宮など、20年や60年といった区切りで建て直されているのを鑑みれば、そういう精神が刷り込まれていると考えることもできるが、それは少し論点がずれてしまう。
当時の知恵を現代でも適用できるか、と問われれば、NOだろう。
技術の進歩を念頭に置いた、少し未来の予測をして、可能な限り使い続けることが考えられた建築が必要なんだと思う。