Something for Structural Engineering

建築土木の構造工学と,その周辺

人口減少時代のランドスケープデザイン

今回の山崎亮さんの講演会は結構前から知っていたものの、1ヶ月前にも聞いたしやることも溜まってるしってことで、行きたい気持ちを抑えてお勉強しようと思っていました。
しかしそんなことを思わずついーとしたら、山崎さんご本人の目に留まり、すっかり誘惑に負けてしまってやるべきことを猛スピードで終わらせて参加してきました。
山崎さんは罪な人である。笑


授業(研究会?)の一環ということもあり、普通の講義室のような部屋で行われました。
アウェー感たっぷりですが今の私にそんなものは関係ありません。
レクチャーの内容をざっくりまとめた上で、感想を書きたいと思います。


まずはタイトルにもあるように人口問題とこの先のデザイン活動について。
人口減少に伴い、使われなくなるであろう公園やインフラ、特にコンクリートで覆われている部分はどうなっていくのか?
もう国からの予算もつかず、新たなものを設計することはどんどん減っていくということを理解しなければならない。


実務例1:有馬富士公園
立地条件が非常に悪いのに計画設計されてしまった公園にいかに住民を呼び寄せるのかというマネージメント。
公園(パーク)として唯一集客に成功しているのはTDR
その構成は、管理者-キャスト-ゲスト。
しかし一般的な公園は、管理者(行政)-ゲスト(住民)
つまりキャストとなりえる人をお金をかけずに呼ぶことが出来たら、この公園のマネジメントは成功となる。
そのキャストとは、活動の場に困っているサークルやクラブ、NPOなどであり、多数存在していることが分かった。
さらに実際に公園で活動していく中で、相乗効果が生まれる。


実務例2:マルヤガーデンズ
鹿児島の老舗呉服店マルヤ。
中心市街地にあった三越が撤退したことにより、この地の再生物語が始まる。
やり手のマルヤ社長により、4人の登場人物が集結。
ストーリーの根幹は集客性。さてその手段は・・・
都市計画の手法を建築に取り入れる。
各フロアにParforationを設け、そこにCommunityを介入させ、デパートへ行かない層を呼び寄せる。
しかしそれはメインではない。
キャスト・テナント・客の意識改革、融合。
さらにカルティベーターを育てる。
デパートメントではなくユナイトメント。
売ることではなくCommunityメインのデパート。
それはCMや新聞広告などにも徹底。


これからの時代に大事なこと
・民間の企業が公共性を持つ
・公共的な事業を住民が支える
・住民が公共の担い手になる


そのためには
・場を作るだけでなくプロセスを作り、住民をどんどん巻き込む
・行政のレベルアップ(時代に即した方向へ)


そんなわけで感想。
1年程前までは設計士になりたくて色々経験を積んだり勉強したりして必死だったけど、ある時とてつもない違和感を感じました。
その時は理由が分からなくてただもがいていただけの私。
しかし山崎さんのお話を聞くと、毎回、点が全てつながって強靭な線になる。
さらにあんなに楽しそうにされている姿を見ると、線が面になってふわっと優しい感じになる。


自分のことは自分でやる!っていう簡単なことなのかも知れないけれど、そういう基本的なところから徹底してプロセスを構築していくことにより、街全体の活性化につながる。
そして、誰かがやってくれると思い込むのではなく、最初の1歩を自ら踏み出し、他者と共有して「私たちの街」を育てていくのである。
やはりエンジニアを目指す立場としては、人口減少により不要になったコンクリートアスファルトを技術的にどうするのかという考えにもなるけど、その思考回路だけでなく、色々な回路を持ち合わせていきたい。


すっかり山崎信者である。
私も村長目指そうかなあ笑


余談ですが、今日の会場だった講義室なんですが、廊下はコンクリートの打ち放しで薄暗いし、講義室内の机には各席にコンセントがあるのはいいけどコードがぐっちゃぐちゃで足に絡まりまくった。
そこらへんで結構萎えた。。。