Something for Structural Engineering

建築土木の構造工学と,その周辺

内藤廣の建築 1992-2004――素形から素景へ1

いままでなかったことが不思議なくらい良く出来た作品集である。
出世作である海の博物館には40ページ程度を割き、その愛着が知れる。
それから2004年までの主な作品の図面やスケッチ、各種写真を惜しみなく公開している。
しばらくしたらその2が発売されるらしいが、今から待ち遠しい。


「精神が抜け落ちてしまっては、論理的な整合性など悪しき形式にすぎない。」

現代建築解体新書 高度成長期後の40年を読み解く

現代建築解体新書 高度成長期後の40年を読み解く

現代建築解体新書 高度成長期後の40年を読み解く

日経アーキテクチュアが創刊1000年を迎え、それらを包括的に分析、まとめたものである。
高度成長期以降の法規や企業経営を含む、建築を取り巻くあらゆる出来事や進化などを過不足なく記載されている。
「時代の顔」がとても面白い。
ただの登場回数ランキングなのだが、90年代以降はTOP3の顔ぶれが変わっていない。
そして女性はただ一人、90年代後半に長谷川逸子氏のみが登場している。


日経という少々堅いイメージは良い意味で崩された。
ただ上っ面だけを追ってきた雑誌とは違う、社会背景を汲んだ価値ある1冊だと思う。

三重の建築散歩―歴史を語る建造物とまちなみ50選

三重の建築散歩―歴史を語る建造物とまちなみ50選

三重の建築散歩―歴史を語る建造物とまちなみ50選

建築を始める前、ずっと三重に住んでいた。
三重を離れてからも、三重の建築について度々調べていたが、正直三重には素晴らしい建築は少ないと思っていた。
しかし、この書籍を読んで、その考えを恥じた。
いつかこのすべての建築を見て回りたい。

小樽の建築探訪

小樽の建築探訪

小樽の建築探訪

来夏に小樽に行くことにしたので予習のために購入した。
小樽は明治から昭和初期に栄え、北のウォール街と呼ばれる金融街でもあった。
その当時に建設された近代建築が小樽運河と共に遺され、今日まで伝承されている。
保存には多大なる労力を費やしているであろうが、これらを自らの目でしっかりと見て来たい。

ランドスケール・ブック ― 地上へのまなざし

石川初 | ランドスケール・ブック ― 地上へのまなざし (現代建築家コンセプト・シリーズ)

石川初 | ランドスケール・ブック ― 地上へのまなざし (現代建築家コンセプト・シリーズ)

秘かに石川初氏のファンである。
でも、正直言って、本業であるランドスケープデザインのことは全く知らない。
しかしながら、地図を用いた論考には圧倒され、特に地形図に関しては良く知ってる街でも全く別の世界に見える。
時を超え、境界を超え、スケールを超え、ここまで細かな、かつ大胆な切り口を見せてくれるのはこの方だけだろう。